ワンダーフォーゲル部×理科 冬の山行+野外観察

2月9日(土)にワンゲル部の2月山行を実施しました。今回は、本校の理科とコラボレーションということで、ワンゲル部員以外の生徒にも声をかけました。また、大津浩一先生(理科特任教諭)の指導のもと中部地方の植生、鳥類や地学の講義をしていただきました。弥勒山頂では野鳥(ヤマガラ)との交流も楽しむことができました。とても充実した約4時間半(7km)の山行でした。

朝9時に誰一人遅れることなくJR高蔵寺駅に集合ました。その後、名鉄バスに乗り換え山行の起点となるグリーンピア春日井(植物園)に向かいました。今日はこの冬最大の寒波が襲来し、予想最高気温は6℃です。みんな寒さ対策はバッチリでした。

予定通り高蔵寺駅に集合し、名鉄バスでグリーンピア春日井へ向かいます

今日の登山は、弥勒山(436m),大谷山(425m),道樹山(429m)の3つの山頂を順に縦走しました。

春日井三山(弥勒山・大谷山・道樹山)縦走

東海地方は大理石を産出する地域として知られています。そして岐阜県はその代表的な産地でもあります。大理石は石灰岩がマグマの接触変成作用によって形成された変成岩であり、石灰岩は炭酸カルシウムを50%以上含む堆積岩です。このあたりの石灰岩はフズリナ(古生代(石炭紀~ペルム紀)に全盛期を迎えた有孔虫)の死骸が堆積したものと考えられています。つまり、春日井市はかつては深い水の底であった証拠でもあるのです。今から500万年前から300万年前の東海地方は「東海湖」と呼ばれる大きな湖がありました。東海地方で産出される大理石はこの湖の堆積物に由来していることになります。

登山道に露出している大理石について解説してくださる大津先生
登山道に露出した大理石。真っ白できれいでした。

登山道を歩いていると林床の植生が変化します。日当たりの良い山の南斜面や大きな高木が生えていない登山道周辺などでは林床までよく日光が届くため陽生植物が繁殖します。シダの仲間のウラジロはその代表的な植物です。下の写真では林床に繁茂したウラジロがよく観察されていますが、登山道の先の林は高い樹木が繁殖し林冠を覆うため林床まで日光が届かなくなり、ウラジロが繁殖できなくなっています。線を引いたように瞬間的に植生が変わる場所です。

日当たりによって変わる林床の植生 日当たりがいい登山道の周辺には陽生植物のウラジロが繁殖

濃尾平野を取り囲むように配置されている山々は日本列島の造山運動によって盛り上がったことによって作られました。つまり、プレートの動きによって堆積岩(特にチャート類)が押されて曲がり山が作られたのです。植物が根を深く伸ばそうとしても地中の硬い岩石に拒まれるため根は地中深くはることができず地表面を横に這うように伸ばしていきます。倒木の根を観察することでこれらのことがよくわかります。

倒木の根を観察します。この山では植物の根は短く、地中深くまでのばせないことがわかります。

約1時間半の登山の後、目的地の一つ「弥勒山頂」に到着です。全員で記念撮影の後、昼食タイムにしました。山頂の気温は0℃です。温かい飲み物をつくって冷えた体を温めます。やはり自然の中で食べる食事は格別ですね。カップ味噌汁・即席コーンスープ・即席麺にホットコーヒー・ホットハーブティーで充実したランチになりました。食後は、弥勒山名物(?)の野鳥(ヤマガラ)との交流です。手のひらにナッツ(特に「無塩のカシューナッツがいい」との情報を半田から来られていた方に伺いました)を置いておくと、手のひらまで降りてきてナッツをくわえて持ち去っていきます。一瞬の出来事ですが、こんな体験は生まれて初めてです。いい経験となりました。

今回も登山用コンロでお湯を沸かします。温かい飲み物で体を温めます。

 

昼食の後は、野鳥(ヤマガラ)との交流タイムです。
手のひらに置いたナッツを食べにきてくれました。

さあ、弥勒山、大谷山・道樹山を制覇しました。帰路につきます。尾根筋の登山道から沢沿いの道を下ります。階段を滑り落ちないよう細心の注意を払って下山します。

三つの山頂を制覇したら下山です。滑らないように気をつけてます。

下山途中にあった鉄塔です。真下に入り上を見上げました。とても美しい幾何学模様を見ることができました。

自然の中におもしろい幾何学模様 高圧鉄塔を見上げます。
砂防ダムにせき止められ池ができていました。カモやアオサギが羽を休めていました。

愛知県と岐阜県にまたがる地域では、「豚コレラ」が問題になっています。野生のイノシシから養豚場の豚に感染しないように(感染拡大防止)に山に柵が作ってあります。指示通り、しっかりと鍵をかけて無事に下山できました。

野生のイノシシが出没しているそうです。人里に降りないように柵がありました。

 

歩行距離 6.8km          歩行時間 4時間36分  高低差 298km

 

ワンダーフォーゲル部 6月山行 岐阜金華山

ワンダーフォーゲル部 7月山行 乗鞍青少年交流の家

ワンダーフォーゲル部 11月山行 犬山善師野

ワンダーフォーゲル部 12月山行 伊豆大島野外実習

ワンダーフォーゲル部 2月山行 春日井三山

ワンダーフォーゲル部 4月山行 豊田猿投山

 

市邨高校ワンゲル部2月山行_a
この記事の筆者
ワンゲル
Prev
高2CDコース 英語スピーチコンテスト2019年2月14日
インフルエンザにご注意ください2019年1月30日
Next