ノーベル賞のゆりかごへ 〜SK・KAGRA・KamLAND研修〜

2019年7月30日(火)に、岐阜県飛騨市の神岡鉱山内にある3施設 スーパーカミオカンデ・KAGRA・KamLANDの研修へ出かけました。前日には3名の教員による事前講義が行われ、参加生徒は予備知識をもって当日の研修に臨みました。

事前講義に聴き入る生徒たち

学校を8:00に出発。バスで片道4時間の長旅です。

車窓から見えた神岡鉱山

バスは神岡鉱山を見ながら昼食を兼ね 道の駅 スカイドーム神岡 へ。併設された ひだ宇宙科学館カミオカラボ では、宇宙物理学の魅力に触れ、何人もの生徒の笑顔が見られました。

館内に再現された光電子増倍管

これは、現地へ行っても見ることのできないスーパーカミオカンデの内面に取り付けられた光電子増倍管の模型です。実物と同じ材料・取り付け方で設置されています。これ以外にもスーパーカミオカンデ内部を知ることのできる展示や、研究の仕組みを体験できるコーナーがありました。

ニュートリノおみくじ

こちらは、ニュートリノのおみくじです。私は「電子ニュートリノ」を引きました。生徒たちもおみくじにチャレンジしていて、事前講義で聞いたニュートリノの種類について思い出しながら楽しんでいました。

昼食やカミオカラボの見学を終えたら、マイクロバスに乗り換えて狭い坑道へ。

A班とB班に分かれて、まずは東北大学の研究施設である液体シンチレータ反電子ニュートリノ検出装置KamLANDでの研修です。

一般財団法人放射線利用振興協会HPより引用

図の◯の位置を見せていただき、KamLANDの仕組みについてお話を伺いました。

ニュートリノと反ニュートリノ、物質と反物質、CP対称性の破れ…施設の方も噛み砕いて説明してくださいましたが、それでも難解な研究の説明。せっかくの機会を良いものにしようと、生徒も必死に耳を傾けていました。

KamLANDの次は、歩いて5分程度のところにあるスーパーカミオカンデでの研修です。

ビデオを見せていただいた後、実験水槽上部のドーム下と観測室へ。

観測室の扉には、ノーベル賞を受賞したたくさんの研究者のサインや、文部科学大臣や宇宙飛行士といった著名な訪問者のサインがありました。サインでいっぱいになったら扉を付け替えているそうで、外した扉も並べられています。

パネルを見学する生徒たち
実験水槽上部のドーム下を進む

床のすぐ下に5万トンの超純水があると聞き、ワクワクしながらドーム部分を歩きます。

観測室では、モニター正面にも座らせていただきました。写真左上の大きいモニターには、実験水槽中の光電子増倍管がとらえたチェレンコフ光が映し出されます。

スーパーカミオカンデを後にし、再びマイクロバスに乗り込みます。大型低温重力波望遠鏡KAGRAへは別の坑口から入ります。

KAGRAの坑口、かぐらトンネルです。涼しいけれど湿度の高いトンネルを歩いてKAGRAを見学します。

中央実験室にはレーザー光源やビームスプリッターなどの装置があります。また、3kmに及ぶアーム内で光を1000回相当反射させて行う実験なので、まっすぐ反射させるために鏡の揺れを防ぐ防振装置もついているそうです。

中央実験室を覗きながらお話を伺う
光線を反射させる鏡は無色透明なサファイア

熱による影響を抑えるため、鏡は徹底的に内部の不純物を取り除いた人工のサファイアを基材としていて、-253度まで冷却しているそうです。生徒も教員もこの鏡に実際に触らせていただきましたが、200万円の鏡と聞くと、そのとき持っていた生徒は一気に緊張しました。

アームはまっすぐに伸びている

実験室を後にして、東西南北に伸びるアームの一方を見せていただきました。光を幾度も反射させる実験なので、写真左側のパイプは3kmまっすぐに伸びています。

水が非常に多く、坑道内も春は雪解け水で川になってしまうそうで、パイプは少し高い位置に設置しているそうです。この他にも、水がとどまらないように僅かに傾斜がついていたり、排水システムが用意されていたり、この場所で実験を行うにあたっての工夫が見られました。現地に赴いたからこそ分かる様々な情報に、生徒も教員も充実した表情を浮かべていました。

参加生徒からは、「世界最先端の実験装置の見学に参加して良かった」「自分が気になったことを研究者の方に直接質問できたことが楽しかった」などの声もあがり、主体的に学びを楽しむ場面も充実していました。

充実感あふれる笑顔に注目
この記事の筆者
市邨教員
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